Introduction

あなたは、お父さんの人生を知っていますか?

いま、一本の映画が韓国を代表する“国民的名作”として大きな感動の涙を誘っている。
激動の韓国を、ただ家族のために必死に生き抜き、いつも笑っていた親父の姿――。韓国で1,132万人を動員した『TSUNAMI-ツナミ-』のユン・ジェギュン監督が、渾身の力と情熱を注ぎこみ、家族への愛情あふれる一大叙事詩を描き出した。
監督はこう語る。「貧しくつらかったあの時代。自分ではなく家族のために生涯を生きた父を見ながらいつも申し訳ない気持ちでいっぱいだった。祖父、祖母、そして父、母の世代全ての人に感謝の気持ちを贈りたい」。
戦後の復興から現代まで、貧しいながらも懸命に楽しく生きる家族たち。そして、どんなに辛く悲しい時でもいつも笑顔で家族のために生きる父親。その姿は韓国でも日本でも変わらない。昔懐かしい家族団らんの風景と、私たちが忘れかけていた絆が、観客に優しい感動を心に吹き込んでくれる。

『王になった男』『7番房の奇跡』を超え韓国映画史に語り継がれる感動

動員1,410万人を超え韓国歴代2位となる、記録的な興収の金字塔を打ち立てた理由のひとつ――。それはこの映画が、韓国並びにアジアの現代史そのものを背景にした大河ドラマだから。
釜山の“国際市場(こくさいいちば)”を重要な舞台に、朝鮮戦争の興南撤収、国民儀礼、ドイツ派遣、そしてベトナム戦争や南北分断で生き別れになった離散家族の捜索など、重要な歴史のトピックが、ひとりの男の波乱に満ちた生涯を通して平明に描かれる。
もちろんキャストには“国民的名作”にふさわしい名優たちがそろった。
青年時代から老齢まで、時代に翻弄されながらも、愛する家族を守るため愚直なほど懸命に生きる主人公ドクスを演じるのは、『新しき世界』など演技派として高い評価を得るファン・ジョンミン。また、ドラマ「LOST」などハリウッドでの活躍もめざましい女優キム・ユンジンがドクスの妻ヨンジャを演じるほか、『10人の泥棒たち』のオ・ダルス、『7番房の奇跡』のチョン・ジニョンなど実力派俳優が脇を固め、最強のアンサンブルを見せている。
また、本作で東方神起のユンホが本格的スクリーンデビュー。実在の有名歌手、ナム・ジンが海兵隊に入隊していた青年時代を演じ、迷彩服に身を包み今までにない役柄に挑戦しているのも話題だ。

どんなに時代は変わっても、守りたいものはいつもここにある

物語は現在から、老いた主人公ドクスの回想として描かれる。朝鮮戦争時の興南撤収作戦による混乱の中、父、そして妹のマクスンと離ればなれになったドクス。母と幼い弟妹と共に、避難民として釜山の国際市場で叔母が経営している「コップンの店」に身をよせる。 やがてたくましく成長したドクスは、父親の代わりに家計を支えるため、西ドイツの炭鉱への出稼ぎや、ベトナム戦争で民間技術者として働くなど、幾度となく生死の瀬戸際に立たされる。しかし彼は家族のために、いつも必死に笑顔で激動の時代を生き抜いた。
「今からお前が家長だ。家族を守ってくれ。いつか国際市場で逢おう」
それが最後に交わした父との約束。泣きたくなっても、絶対にひとりでは泣かないで。いつも側には、家族がいるから――。